2008年にKVM-over-IP Dominion KX II 並びにインテリジェントPDU Dominion PX を導入して以来、リモートで対応可能な作業の幅が広がり、運用管理の負荷が軽減されたというピットクルー様。新たに北九州に開設した拠点では、Dominion KX II-101 V2 という1ポートタイプのKVM-over-IPを導入して、東京からデスクトップサポートできる環境を整え、さらなる運用の効率化を図っている。
どこからでもリモート管理
ピットクルー株式会社様は日本で最も早く設立されたネット「看視」の草分け企業である。進化し続けるインターネット環境において、違法有害情報やインターネットの不正利用を検出・排除し、エンドユーザーが安心して利用できるよう、24時間365日、見守っている。
インターネット上の掲示板、ブログ、SNS等の看視や、学校非公式サイトの調査・看視のほか、ゲームソフトやショッピングサイト等のユーザーサポートサービスも提供している。現在、全国主要5都市(札幌、東京、中部(名古屋)、岐阜、北九州)に事業を展開している。
同社は、2008年からiDCの活用を積極的に進めており、それに伴ってKVM-over-IP Dominion KX II やインテリジェントPDU Dominion PX を導入した。
「リモートから電源がコントロールできるというのは心強いです。何かあった際の保険になるので、思い切った作業ができます。PDUがないと、電源が落ちたら現場に行って手動で入れ直さなければなりません」とピットクルー株式会社 管理部 情報システムグループ IT統合推進チーム アシスタントマネージャー 酒井 貴也氏は語る。酒井氏は現在、名古屋の中部サポートセンターから東京・三鷹のiDCに設置したサーバを管理している。同社では、システム管理者はどこからでも各拠点のサーバを管理できる体制が整っている。
トラブル時のシステム再構築にフル活用
「Dominion KX II でBIOSレベルの作業はもちろん、OSの再インストールも行っています。Linuxサーバにも対応していますし、以前であれば、名古屋から東京まで出張してやらなければいけなかった作業が全部リモートから出来るので本当に助かっています」
日々の管理業務はもちろん、トラブル発生時にもDominon KX II は役立っているという。加えてDominion PX も導入していたおかげで、スプリットブレイン(※)からのシステム復旧が素早くできたそうだ。
「クラスタ構成でスプリットブレインが発生した際の復旧作業に非常に役立ちました。障害自体はクラスタの片側のサーバをシャットダウンすればなんとか大丈夫ですが、そこからクラスタを再構成するのに、電源を入れて設定してまた落として、といった作業が発生します。さらに、電源を落としたサーバは、ネットワークインタフェースカード(NIC)をオフにしなければならないため、ネットワークにつながらない状態でDominion KX II からキーボードマウス操作ができたのは便利でした。サーバの電源のオフオンはDominion PX から、セットアップはDominion KX II からといったように合わせ技で対応できたので素早くシステムを再構築することができました」と酒井氏は語る。
(※)スプリットブレイン サーバ間の通信回路が遮断され、スタンバイ側のサーバも本番機のように動こうとすること
東京から北九州のPCをデスクトップサポート
2011年、北九州に新たに拠点を開設したことに伴い、今度は1ポートタイプのDominion KX II-101 V2 を導入した。北九州のシステム周りの面倒を見ているのは、同社管理部情報システムグループ アシスタントマネージャー 高橋良輔氏だ。北九州のクライアントPCを、東京にいる高橋氏がDominion KX II-101 V2 を使ってセットアップしているという。
「OSレベルの操作ならリモートデスクトップで可能ですが、それ以下の階層は無理です。北九州には専任のシステムスタッフはおらず、お手伝いしてくれるスタッフはいるものの、スキル面で心配があります。そのため、現地のスタッフにはPCにDominion KX II-101 V2 をつなげることだけをお願いして、こちらからすべて面倒を見ています」。実際、早速北九州の拠点のPCセットアップに活用している。「これから随時PCのリプレイスが発生するので、Dominion KX II-101 V2 をどんどん活用していきたい」と高橋氏は話す。
「Dominion KX II-101 V2 はどこにでも持ち運べますので色々なことに応用できそうです。同時に8人のユーザが同じ画面を見られるので、遠隔会議にも使えそうです。画面に映った資料を、東京や札幌などから見て会議を進めるといった使い方が考えられますね」
セキュリティレベルに応じてiDCとクラウドを使い分け
現在同社ではiDCとAmazon Web Service(AWS)のクラウドサービスとを併用して全社のシステムを運用しているという。「セキュリティレベルに応じてiDC自社管理とAWSクラウド管理に分けて運用しています。iDC自社管理サーバにおいてスケールアウトやスケールアップが必要なサーバは順次AWSへ移行していく予定です」と高橋氏。iDCにはファイルサーバのような同社の基幹業務に関わるデータを保管しているサーバを格納し、セキュリティ性を保持している。
ビジネスの成長に応じてシステムを拡張していく中で、リモートアクセスへのニーズはますます高まりそうだ。
導入目的
導入効果
導入製品
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