MontanaPBSがラリタンのKVMソリューションを生かしてアジャイルな放送にシフト

放送業界が専用の放送機器から、COTS(商用オフザシェルフ)ハードウェアで稼働するアプリケーションソフトウェアへと移行するなかで、テレビ局のオペレーションセンターはあたかもデータセンターのように、標準および仮想サーバー、ネットワークスイッチ、その他のIT機器のラックが設置されています。

PBSのテレビ番組を放映するための編集、送出、配信といった機能は現在、標準的なサーバーで実行されています。MontanaPBSのITマネージャーであるJosh Winterrowd氏は、次のように語っています。「通常はサーバーに接続し、ソフトウェアを起動するだけで、すぐに仕事に取り掛かることができます。これは業界全体の傾向です。柔軟性が向上するほか、インフラストラクチャの標準化によって機器のコストやメンテナンスが減り、アップタイムが向上するため、大幅なコスト削減が期待できます」

MontanaPBSは、新しい放送自動化システムへの移行をサポートするため、ラリタンのDominion® KX IIIスイッチとユーザーステーションを選択し、従業員がサーバーで稼働するコンテンツ制作/番組配信システムにアクセスできるようにしました。同社ではオペレーションにラリタンのParagon® IIアナログスイッチを使用していたため、ラリタンになじみがありました。「Paragonの盤石な性能とラリタンのサポートチームのおかげで、新しいKVM-over-IPスイッチに関しても、安心してラリタンを使い続けることができました」とWinterrowd氏は語っています。

競合する放送システムに対するKX III KVMスイッチの強みは、どこからでも任意のコンピューターやサーバーに接続できる点にあります。KX IIIでは、サーバーの運用状態にかかわらずアクセスが可能です。サーバーの電源が入っていなくても、障害が発生中であっても、KX IIIを使用すればアクセスできます。これは、企業の本番ネットワークとは分離された、KX IIIのアウトオブバンドネットワークを用いて、暗号化したキーボード、ビデオ、マウスのシグナルを送信することで実現しています。

またユーザーステーションによって、機器ラック内のKX IIIスイッチに接続されたサーバーや他のデバイスにシンプルにアクセスできます。30 FPSで1080pのビデオセッションをサポートできるユーザーステーションは、8台以上のサーバーへの同時アクセスが可能です。

採用の決め手の1つはユーザーステーションだったと、Winterrowd氏は述べています。「ユーザーステーションに向かえばあらゆる放送システムにアクセスできるため、あるシステムで作業してから、別のシステムに物理的に移動する必要がなくなっています。また、誰か別の人がマシンを使い終わるまで待つ必要もありません。ユーザーステーションによって生産性が向上しており、インターフェイスは統一され、ログイン後はあらゆるシステムを呼び出すことができます。たとえばユーザーは、コンバーターのアップダウンを制御したり、ルーターのコントロールパネルやビデオプレイヤーポートにアクセスしたりできます」

マスターコントロールオペレーション/トラフィックスタッフはビデオフィードを管理し、PBS視聴者に向けて放映される実際のビデオファイルを、放送自動化システムに供給します。このスタッフは、ラリタンの任意のユーザーステーションから、放送システムにアクセスし、構成および制御することが可能です。Winterrowd氏は次のように語ります。「スタッフは厳しいスケジュールでビデオを操作しているため、クリックする場所に関して高い正確性が求められ、また素早い作業を望んでいます。KX IIIユーザーステーションの高速かつ正確なパフォーマンスは、大きな決め手となりました。リモートのユーザーステーションに表示されるものは、接続機器の前に座った場合に目にするものと、まったく同じです。またユーザーステーションのマウス同期化機能によって、ユーザーは即座に生産性を発揮できます」

Josh Winterrowd, IT Manager at MontanaPBS

定義された許可レベルに応じて、サーバーはユーザーステーション、PC、タブレット、スマートフォンからアクセスできます。通常、MontanaPBSのオペレーションスタッフは、ユーザーステーションを用いて機器にアクセスし、エンジニアリングとIT部門はPCとラップトップを用いてアクセスしています。

番組制作のアップタイム

同局のスムーズな運営を維持しているのは、メンバー4名のエンジニアリング部門です。

利用できなくなったサーバーがあれば、チームはKX IIIを用いてトラブルシューティングを行い、オペレーションを復旧します。

KX IIIはBIOSレベルの接続を提供するため、サーバーのOSが稼働していない場合やネットワークインターフェイスカードが故障している場合であっても、サーバーにアクセスできます。インターネット接続が利用できない場合は、緊急のダイヤルアップアクセスのための、専用モデムポートを利用できます。デュアル電源とデュアルGigabit Ethernetも備わっており、自動フェイルオーバーが可能です。

Winterrowd氏は、次のように述べています。「私のオフィスは、ブロードキャストNOCからホールを挟んで反対側にあるため、私は常にKX IIIに接続してサーバーウィンドウを呼び出し、デスクトップ上で構成を行っています。移動の必要がなくなり、NOCのユーザーステーションに縛り付けられることもないため、非常に便利です」

緊急時や営業時間外には、Winterrowd氏は自宅からVPNを介して、KVMの管理する機器に接続しています。

KVM-over-IPスイッチの選択基準としては、日常的なオペレーションを中断させずに容易にセットアップできる機能もありました。Dominion KX IIIは、内部認証やWebアクセスなど、すべての主要機能が事前に搭載された内蔵型アプライアンスであるため、わずか数分で設置できます。KX IIIがJavaを使用していない点も大きな決め手になったと、Winterrowd氏は語ります。「Javaのアップデートは非常に面倒になる場合もあるため、継続的なアップデートが不要であることは、大きなメリットです」

さらに、Winterrowd氏は次のように語ります。「ラリタンのソリューションの主なメリットは、システムへの信頼性の高い一元的なアクセスと使いやすさです。私たちはアジリティと即応性を高めることができ、すべての放送機器をNOCのラック内に配置して、ラリタンのKVM-over-IPソリューションを用いて容易にアクセスできるようになっています」

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お客様

MontanaPBS — モンタナ州ボーズマンに位置するPBS系列局で、コミュニティに教育番組やエンターテインメント番組、オンラインコンテンツを提供しています。

課題
  • 視聴者に向けて高品質の放送コンテンツを制作および提供する際の、柔軟性とワークフローを向上させるために、新しいソフトウェア定義の放送自動化システムに移行する計画を立てていました。
  • 同局はこの移行をサポートするため、ユーザーが新しい放送システムにアクセスしたり、放送と業務オペレーションの双方をサポートするITインフラストラクチャを管理したりできるツールを必要としていました。
ソリューション
  • Dominion® KX III KVM-over-IPスイッチ
  • KX IIIユーザーステーション
結果
  • 放送業務、エンジニアリング、およびIT部門のスタッフやその他のユーザーは、コンテンツ制作から配信システム、ビジネスアプリケーション、データベースに至るまで、同局のシステムに一元的にアクセスできるようになりました。
  • ITスタッフがどこからでも機器にアクセスして診断や他のメンテナンス作業を実施できるため、アップタイムが改善されました。
  • サーバーや他の機器は同局のNOCに統合されたため、オペレーションが合理化され、乱雑なケーブルが減り、必要となる設置面積も縮小しました。

 

リソース