ネットワンシステムズ株式会社 2009

通信事業者や大手企業、官公庁・自治体、大学・研究所などの大規模なネットワークを構築してきたネットワンシステムズは、従来の機能を維持しながらファシリティーの強化を図るため、2009年10月に同社のテクニカルセンターを移転した。スタッフのオフィスから離れた場所にテクニカルセンターが移転することで、リモート環境による電源管理システムの構築とリモートラボに適した機能を持つ製品の導入という課題が浮上。ネットワンシステムズが課題克服に向けて講じた施策とは?

最先端のネットワーク技術を日本に導入

ネットワンシステムズ株式会社<br />テクニカルセンターのエントランス<br />写真右から<br />システム企画グループ ナレッジセンター 諸井渡氏<br />ネットワークファシリティエンジニアリング本部 平野将人氏<br />ネットワークファシリティエンジニアリング本部 和田野謙氏

 ネットワンシステムズは1988年の誕生以来、現在のネットワークの基盤技術になったIP(インターネットプロトコル)にいち早く注目し、のちに業界標準となったルータなどの各種ネットワーク製品を発掘して日本市場に導入してきた。ネットワークインテグレータという言葉を生み出したネットワンシステムズは、市場のリーダーとして時代のニーズに応えながら成長し、ネットワーク技術で顧客の課題を解決する「ネットワークソリューションプロバイダー」として進化を続けている。パソコンや携帯電話だけでなく、家電や自動車、自動販売機など、あらゆるものがネットワークに接続される時代を迎え、ネットワンシステムズは、ネットワークソリューションの付加価値を追求し、社会のイノベーションへの貢献を目指す。

新テクニカルセンター構築

 ネットワンシステムズはこのほど、ネットワングループの技術的な重要拠点である「テクニカルセンター」を移転し、2009年10月1日から本格的な運用を開始した。
 テクニカルセンターは、同社の取り扱い製品について、その機能や性能、相互接続性、信頼性などの評価を行うと同時に、最新技術情報を素早くキャッチアップし、そのノウハウの一元化や共用化を担う技術研究施設である。顧客が製品やシステムを導入した後のトラブルを未然に防ぐため、顧客のネットワーク環境を再現した導入前検証なども積極的に実施されている。
 同社はこれまで、東京都品川区東品川のビルにテクニカルセンターを設置していたが、更なるファシリティーの強化を図るため、新たな場所へ移転する必要性が生じたという。システム企画グループ ナレッジセンター 諸井渡氏は、「従来のビルでは、スペースや電源、空調などの面で限界に達しており、これ以上の強化を求めるためには、新たな場所への移転が検討課題になっていました」と説明する。
 一方で、品川区勝島周辺の3カ所で運営していた品質管理センターを2カ所に統合する決定が行われたため、この統合によって空いたビルのフロアに新たなテクニカルセンターを移転することが決定されたのだ。

          新テクニカルセンター構築

リモート環境で電源管理の仕組みを構築

 「省エネなどの観点から、週末にはテクニカルセンターで稼働している機器の電源を落とすことになっています。以前のビルでは、テクニカルセンターの下のフロアにスタッフがいたので、現場に行って直接機器の電源を落とすことが容易でした。しかし、新しいテクニカルセンターの場合、スタッフが仕事をしている場所とテクニカルセンターが離れてしまったため、リモートから電源をコントロールする仕組みを構築しなければならなくなったのです」と諸井氏は続ける。
 ラリタン・ジャパン社の提供する「Dominion PX」は、TCP/IPネットワーク経由で、PDU(Power Distribution Unit)の個々のアウトレットに対して電源供給オン/オフのコントロールする事が可能だ。ネットワークファシリティエンジニアリング本部 営業推進部 設計提案チーム 平野将人氏はDominion PXを採用した背景について、「リモートから電源のオン/オフが出来る製品は他のメーカーにもあります。それに加えて、Dominion PXの場合はアウトレット毎に消費電力のモニタリングが出来る事が決め手になりました」と語る。つまり、個々の機器の消費電力状況を把握した上で、電源を落としても良いものだけを落とすという細かい管理が出来るようになったのだ。

消費電力の「見える化」への取り組み

各ラックに設置された<br>Dominion PX

 テクニカルセンターのプレゼンテーションルームには、壁面埋め込み型ディスプレイが備えられており、画面上にはテクニカルセンター全体の総合消費電力やPUE(電力効率指標)値も表示されているのが目に止まる。電源管理、環境管理、エネルギー消費への関心が高まっている中で、ネットワンシステムズとして最新のシステムをお客様へ提案していくために、電力消費量の『見える化』を図る必要があったことは間違いない。
 ラリタン・ジャパン社の提供する「Power IQ」は各Dominion PXからの消費電力情報を収集し、グラフ等による可視化を行うためのツールだ。
 「どの機器がどの程度の電力を消費しているのかを把握するためには、Dominion PXのようにアウトレット毎に消費電力を測定出来る機器に加え、Power IQのようなデータの可視化ツールが必要になります。また、それは電力の使い過ぎを管理することにつながり、例えば、電力を使い過ぎてブレーカーが落ちるのを未然に防ぐ事が可能になるので、危機管理の意味合いも持つわけです」(平野氏)
 より良いものをお客様に提供していこうとするネットワンシステムズの姿勢にラリタン製品の持つ機能がうまく合致した格好だ。

ラリタンのトータルソリューション

     PDU全体とアウトレットごとの電圧、<br>     電流がLED表示される

 以前は、部門によって違うメーカーのKVMスイッチやPDUを使用していましたが、操作性の異なるユーザーインターフェースが混在すると、複数の操作方法を覚えなければならず、使い勝手も悪くなってしまう。新しいテクニカルセンターでは、様々な部門のスタッフが利用する事を考慮し、トータルソリューションを提供出来るメーカーを選定しました。
 「KVMスイッチやコンソールサーバー、PDUなどを同一メーカーで揃え、全社員にスムースな検証環境を提供しようと考えました。また、統合管理システムによって、アクセスしたい機器に透過的にアクセスする形がユーザーにとっては最も使い易いだろうという観点から、最終的にラリタンが選択されたわけです」(諸井氏)
 複数メーカーの製品が比較検討された中で、ラリタン製品が選択された理由について、平野氏は、次のように説明する。
 「比較検討においては、当然ながらコストも重要なポイントです。ラリタン製品は性能が優れているだけに価格も安くはありません。しかし、コスト面での検討を進める一方で、リモートラボに適しているか、あるいは、今回の場合は同時にKVMスイッチも導入するため、統合管理ができるかというのもポイントでした」
 通常であれば、コスト面を最重要視して判断するところだが、製品の性能や統一性など他のメリットも総合的に判断して出した結論が、ラリタン製品だったというわけだ。

魅力あるトータルソリューションを提供

 新しいテクニカルセンターは、ラボエリアに19インチラックが約300本並び、検証ルーム5室、検証エリア8エリアという充実した基本設備を誇る。「魅せるラボ」をコンセプトに明るい雰囲気の内装でまとめる一方で、ラボエリア全域に人感センサーを整備して無駄な照明を節約するなど環境負荷にも配慮し、部分的にLED照明を採用することで消費電力低減につなげている。
 「メーカーではないのに、これだけの設備を持っているところは極めて珍しい」と関係者が口を揃えるネットワンシステムズのテクニカルセンターだが、平野氏は次のように語る。「ネットワンシステムズのポリシーとして、極力自分たち自身が使っているものをお客様にご提案していきたいと思っています。今回のラリタン製品の導入も、単純にラリタン製品を再販するのではなく、まず自分たちが使ってみたものをソリューションとして差別化して販売していきたいという思いが込められているのです」とテクニカルセンターへのラリタン製品の導入意義を強調する。
 平野氏は、今回のテクニカルセンター移転に伴うラリタン製品導入について、「ラリタンが目指しているラインナップのロードマップとネットワンシステムズが求めている製品のタイミングが重なった」ことの意義を強調し、ラリタンによる戦略的なパートナーシップを通じて「今後も機能的に充実した機器を組み合わせることで、可能性や拡張性も含めて魅力のあるトータルソリューションを提供していきたいと考えています」と語っている。

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導入目的
  • 移転したテクニカルセンターに対するリモートからの電源管理とリモートラボに適した機能の確保
導入製品
  • Dominion PX(DPXS20-20L-J) 302台
  • Dominion PX(DPCR8A-20L6-J) 6台 
  • Power IQ(PWIQ500-VA) 1台 
導入効果
  • リモート環境で電源などの統合管理が可能に。
  • 電力消費量やエネルギー効率などの『見える化』を実現。

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