株式会社 サイバーエージェント

国内最大級のインターネットサービス「Ameba」の安定稼働を支えるDominion PX

「スペースはあるのに電力が足りない」。サーバ集約の進展等によりデータセンタの電力不足が進んでいる。電力不足によるトラブルはもとより事業拡大のニーズに迅速に対応できない事態も起きている。インターネット総合サービス企業のサイバーエージェントではデータセンタの拡張に際してインテリジェントPDU「Dominion PX」を導入した。これによりデータセンタ任せだった電力管理を自らの手で行っている。

会員数1,000万人、利用者数2,400万人以上国内トップクラスの「Ameba」

 

     株式会社 サイバーエージェント<br />     新規開発局インフラテクノロジーグループ<br />    (現:サムザップ インフラグループ)石原 裕之 氏

 会員数1,000万人以上、PV(page view)数181億PV、著名人約8,400人のオフィシャルブログなど、多くのブログサービスの中で国内トップクラスの規模と注目度の高さを誇っているのが「Ameba」である。Amebaは月間2,400万人以上※1が利用するインターネットメディアとして、人気のブログサービス以外にも、自分にそっくりなキャラクターで遊べるコミュニティサービス「アメーバピグ」や、ミニブログサービス「Amebaなう」など新たなサービスの提供にも力を注いでいる。
 「Ameba」を運営しているのは1998年に設立されたサイバーエージェントだ。同社は、Ameba関連事業、インターネットメディア事業、インターネット広告代理事業、投資育成事業の4つの事業を展開し、わずか10数年でインターネット総合サービス企業として国内トップクラスの地位を確立するまでに成長した。
  ※1 2010年9月ネットレイティングスHOME&WORK

 

システム全般について、できることは自分たちでやりたい

 

株式会社<br>サイバーエージェント

 インターネットサービスは提供者と利用者が対面することのないサービスである。信頼のベースとなるのは、24時間365日、安定した最適なサービスを提供し続けること、その積み重ねにある。ITインフラに対する同社の取り組みについてAmeba事業の運用を担当する同社新規開発局 インフラテクノロジーグループ 石原裕之氏はこう語る。
 「システム全般について、できることは自分たちでやるという考えを基本にしています。特に安定稼働に関わる要素は自分たちの手の中に収めておきたい。電力もその1つです。電源がなければシステムは動きません」。

 

自分たちで消費電力を把握することの必要性を痛感

 電源のトラブルは業務に与える影響が大きい。データセンタに設置してあるラックのブレーカーが落ちてしまい、サービスが数分間停止してしまったことがあったという。
 「データセンタの説明では、一時的に電力がすべてオーバーしたと。サーバの増設時にはクランプメーターで電力を計測していたので、そんなことないのではないかと思いましたが、トラブルが起きたときの電力の状況についてはデータセンタも私たちもわかりません。自分たちで消費電力を把握することの必要性を痛感しました」(石原氏)。
 需要が拡大しているデータセンタでは電力不足が深刻化していると石原氏は話す。
 「90ラック借りているうちの70ラックくらいしか使っていなかったのですが、データセンタからこれ以上サーバを増やさないでほしいと言われました。過去にも設置して初めて電源が足りないことが度々あったので、電力管理はずっと課題でした」。
 データセンタにも電力管理サービスは用意されているが、コストが高かったり、思ったことができなかったりするそうだ。
 「サーバ毎の電力情報を、必要なときに必要な分だけ自分たちが把握できるようにしたい。それには1台1台の消費電力を24時間計測できる仕組みが必要でした」。

自分たちが希望する分析が行えるという点も採用理由に

 データセンタの拡張を決めた際、そこに導入する電力計測ツールを探していたところ、Interop TokyoでDominion PXを見つけた。
 「同僚の吉川から話を聞いて興味を持ち、早速約三週間Dominion PXを検証しました。コンセント毎の計測やリモート電源オンオフはもちろん、特に重視したのはMIBを集めてひとつに統合できるか、オープンソースのツールと組み合わせてグラフ化できるかです。結果大丈夫でした。自分たちの希望する分析が行えるという点も採用理由の1つですね」。
 コスト面でも、データセンタの電力管理サービスを毎月利用する場合と比べ、Dominion PXを購入することで早い段階で投資対効果がプラスに転じるというメリットがあった。
 「データセンタに毎月100万近くの電力管理費を払うのを考えると安いという結論に達しました」。

「Ameba」など重要なシステムでDominion PXを活用

 

       中央電子製ラックに設置。ケーブルを<br>       コーポレートカラーである白・黄緑で統一。<br>       ごちゃつきがちなラック背面をすっきり見せている。

 2010年4月、新しいデータセンタにDominion PXの0U、20アウトレット、30AモデルDPXS20-30L-Jを40台導入(2010年11月現在60台設置済み)、将来的に200台まで増設する予定だ。
 「ブログやアメーバピグなどAmeba関連のさまざまなサービスや、最近、力を入れているモバイルゲームなど、当社の重要な事業を支えるシステムでDominion PXを活用しています」(石原氏)。
 導入後、ネットワークのトラフィックなどと一緒に、電力の状況を見ることが朝の日課になったと石原氏は話す。
 「実稼動の状況を調べて、計画を練るための情報を得られるのは重要ですね。これまでは電力が足りないとデータセンタに言われてから電源やラックの増設を行っていたため一週間くらい時間がかかっていました。今後は電力の使用状況に応じて発注を早められるので、より効率的なキャパシティプランニングができると思います。また、新しいデータセンタでは1ラックに30台、100ラックで3,000台のサーバを設置する予定ですが、Dominion PX で電力を測定できるのでラック毎のサーバ台数の最適化を図ることも可能になります」。

 

DPX1本全体での消費電力     アウトレット毎の消費電力値をグラフ化<br><br><br>Dominion PXのデータを加工して、<br>PDU1本全体(左)とアウトレット毎(上)の消費電力値をグラフ化 。

電力に対する意識が向上

 

 Dominion PXによって消費電力が見えたことで、電力に対する意識が向上してきたと石原氏は言う。
 「実際にサーバが動くと電力がこんなに消費されるのだと。それとコストですね。ラックを借りるのもお金がかかりますので、現状を把握して計画的に増設しなければいけないですね」。
 今後のDominion PXの活用について石原氏はこう話す。
 「電力の状況とサーバの負荷状況を時間軸で合わせて分析すると、いままでわからなかったこともいろいろと見えてくると思います。まずは電力を要因とする障害をゼロにすることと、キャパシティプランニングの精度を高めること。また突発的に消費電力が上がってしまった場合、しきい値を超えたコンセントの電源を落とす、といった対策も検討中です」。
 インターネットサービスのリーディングカンパニーとして飛躍するサイバーエージェント。同社のITインフラの安定稼働を支えるDominion PXが果たす役割もますます重要になっていく。

導入目的
  • ピーク時のサーバの電力情報を把握し、ラックや電源の増設を迅速に行いたい
  • サーバ毎の消費電力のデータを活用し、電力障害時の原因分析に役立てたい
  • ラックのキャパシティプランニングに活用したい
導入効果
  • 電力不足になる前に、電源やラックの増設、事前対策が可能に
  • ラックに増設するサーバ台数を最適化
  • サーバ毎の消費電力データを活用し電力を要因とする障害をゼロに
  • 電力情報が「見える」ことで、スタッフの電力への意識が向上
導入製品
  • DPXS20-30L-J 60台
    (2010年11月現在、将来的に200台まで増設予定)

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